HackableThings
by Surface&Architecture
「カスタマイズすることで使い方を広げられるプロダクト」の可能性を探るプロジェクト
CONCEPT
カスタマイズすることで
使い方を広げられるプロダクト
使い方を広げられるプロダクト
hackability = プロダクトの改変しやすさ
私たちは日々、さまざまなモノやサービスを使う中で、「もうちょっとこうだったらいいのに」とか、「こんなことができたらいいのに」と感じることがあります。そんな時、ハッカビリティを考慮して自由に改変しやすく設計されていれば、ユーザーが創意工夫して、それぞれのニーズや状況に合わせて最適化できるようになります。
プロダクトが目覚ましい進化を遂げて行くのに伴って、ユーザーとしてそれらに期待する価値はどんどん高まっていきます。私たちSurface&Architectureは、ユーザー体験を軸に人とモノの関係性をデザインする中で、単にものを使う“利用体験”だけでなく、“ハックする体験”を考えることが、多様なニーズに応えていくための糸口になるのではないかと考えました。
使い方を制限せず、ユーザーが自由に改変することを促すことは「使い手」と「作り手」の双方に様々な価値をもたらしうるのではないか?こうした仮説をもとに、その実験としてHackable Thingsプロジェクトは始まりました。
PROTOTYPE
ハックしやすい時計をプロトタイピング
ケーススタディとして、多くの人々にとってもっとも身近なプロダクトのひとつである時計を題材にアイディアを展開し、3つの「ハックしやすい時計」のプロトタイプを製作しました。
#1 なんでもアラーム
Alarm Anything
新しい目覚め方をデザインできるアラーム
#2 つながるタイマー
Extendable Timer
“始め方”と“終わり方”を自由に変えられるタイマー
#3 しゃべるクロック
Audible Clock
音やメッセージを吹き込んで耳で時間を知る時計
#1 なんでもアラーム
目覚まし時計でベル以外も叩けたら?
「なんでもアラーム」は、アーム部分をつけかえることで「新しい目覚め方」を自分でつくれる目覚まし時計です。例えばハンマーでベルを叩いたり、うちわで風を起こして風鈴をならしたり、ふさふさしたもので顔をなでたり、スイッチを押してライトを明滅させたり…。取り付けるものと組み合わせ次第では、目覚まし以外の用途にも応用できるかもしれません。
#2 つながるタイマー
タイマーと他のものをつないで連鎖できたら?
「つながるタイマー」は、始め方と終わり方を変えられるタイマーです。開始と終了のトリガーを入出力する2つの端子がついてます。たとえば開始側の端子にマイクをつないぐことで音に反応してタイマーがスタートするようにしたり、終了の端子と入力の端子をケーブルでつなげば、タイマーを繰り返し実行したりできます。2台をつないで「20分作業→5分休憩」を繰り返すようにしたり、気軽に組み替えて機能を拡張できます。
#3 しゃべるクロック
時間を好きな音やメッセージで表現できたら?
「しゃべるクロック」は、音やメッセージを吹き込んで、耳で時間を知る時計です。単に時報を声で知らせるだけでなく、出発時間に「遅刻するよ!」と時計にしゃべらせたり、オフィスで終業時間に蛍の光を流したり。ひとの行動を促したり、リマインダ的な使い方もできます。
DEMO
Maker Faire Tokyo 2017での展示
今回製作した3つのプロトタイプを、Maker Faire Tokyo 2017で発表しました。会場では、製作したプロトタイプの実機をデモしながら、来場者のみなさんに「あなたならどんな風にハックしますか?」と問いかけ、新たなハックのアイディアを付箋に書き出していきました。展示の様子は、Make: Japanの記事としても取り上げていただきました。
Maker Faire Tokyo 2017レポート:”やりたいこと” をモジュールにしてつなげる「Hackable Things」